アルトラから発売されているクッション性の高いシューズ、ヴィアオリンパス。
既に2代目が登場していますが、今回はヴィアオリンパスのレビューになります。
アルトラらしい0ドロップ、ワイドトゥボックスはそのままに。
クッション性を高めているヴィアオリンパス。
早速解説、レビューもしていきます。
製品スペック
公式から発表されているデータは以下の通り。
・ミッドソール: Altra EGO™ MAX
・アウトソール:ラバー
・クッション:Max
・スタックハイト:33mm
・アッパー:超軽量 & 優れた通気性
FootShape™:ORIGINAL
アルトラ公式より
メリット 非常に高い安定性

※筆者だと50kmくらい走ればだいぶ扱いやすくなってきました
というのも、runrepertでのレビューにもある通り、まずフォーム材が全体的にやや硬めです。
決してカチコチという訳ではないのですが
昨今の柔らかい、ふわっと沈む感触はあまりありません。
※また、寒い時期はコツコツ音が鳴るくらい硬くなります…
加えて、靴底が全体的に幅広い仕上がりですし。
ラバーの構成として、縁部分が硬度高くなっているので、より安定性が増しています。
また、バケットシートのように側面を高くしているので
側方へのズレ感、ブレ感も全くないのも強みです。
ヒールカップもアルトラにしてはしっかりしている方で、かかと周りの安定性もまだある印象。
踵骨でのぐらつきを抑えつつ、底面部はこれでもかというくらい安定性を高めています。
なので、長い距離をゆっくり走る時なんかにぴったりという印象です。
デメリット 動きにくさすら感じる安定感
安定感がこれでもか、とある一方で、逆に動きにくさすら感じさせるのがヴィアオリンパスの短所。
ここは安定性とトレードオフなので、そういうものだと割り切るしかないです。
というのも、ソール縁、青部分が硬質なラバーであるため
高すぎるほどの安定性を発揮しています。
ソール部分にガイドするような意匠はあるのですが
ソールの幅、ソールの硬さから、フレキシブルさが無く。
加えてプレート等で押し出す機構も無いので
人によっては動きにくい、とすら感じさせるほどの安定性を誇っています。
感覚的にはRIDEZAのような感覚をもっていないと、走りにくいと思います。
デメリット 若干脱げやすいかかと
非常に工夫が凝らされていますが、ソールユニットの硬度から、かかとは若干脱げやすいケースが出るかと思います。
ソールが硬い、屈曲しにくいと、圧の関係でかかとは脱げやすくなりやすいです。
本作はその脱げやすさを、多くのパッドでかかと、甲部を包み込む設計を採用。
そうすることで、かかとがなるべく脱げにくくなっているのが特徴です。
デメリットではあるんですが、対策はちゃんとしています。
ただ、履いてみてどうしてもかかとが脱げやすい場合。
様々な対処法がありますが、まずは靴紐を強度の高いものに変えることをおススメします。
シュータン部分に厚みがあるので、ある程度圧がかかっても問題ないためです。
他だと手で曲げて屈曲性を良くしたり
少しだけかかとに滑り止めのついた靴下を履くのも有効です。
補足1 全体的にサピネーション、O脚、外側荷重向け




そのため、オーバープロネーション、回内足の方はおとなしくプロビジョンを選びましょう。
ちなみに余談ですが
もしインソールを組み合わせるなら、比較的広範に対応できるRUN PERFORMANCE INSOLEか
3点支持、0ドロップを重視したBA2NE系のインソールが良いでしょう。
もしくは、厚底によって足底部刺激が足らなくなるので
補うという意味で、naboso製品を使うのも良いと思います。
どうしてもオーバープロネーションだけど履いてみたい、という方は
スーパーフィートなどを組み合わせれば多少相殺はできるかと思います。
補足2 ロッカーの効果は限定的
runrepeatではロッカーがあることで2mm~4mmのドロップシューズのような感覚があり
スムーズな移動が可能になったとの話がありますが。
完全にフラットなシューズよりはそうですが、あまり期待しない方が良い設計でもあります。
特に前足部ロッカーに関しては、ソールの巻き上がりがどこから発生しているかで話が変わります。
本作では母指球、小趾球まではフラットに接地できるので
ロールしてコロコロ転がるような感覚は生まれません。
あくまで0ドロップシューズ、分厚い分の抜け感を出すためのロッカーです。
なので、HOKAONEONEのようなロールする動きは無く。
ミッドフットでの走法が最も適しやすい設計になっています。
※フォア、ヒールストライクでもこのシューズは対応可です。
ちなみにそういう意味では、B-TRで完全トレーニング用にするというのも面白いかもしれません。
補足3 長期間走る&暖かくなると感触が良くなった
180kmほど走ったので、経過報告を。
まずは一番大きいのが気温で、暖かくなればなるほど、上記のデメリットが消えていっています。
というのも、ミッドソールが柔らかく弾力が出てきているので
曲がりやすくなって、ロッカーの動きが出てくる上、程よい安定性へ落ち着いています。
ただ、ここまで気温で感触が変わるのは、ちょっと製品として困るとは思います…笑
もちろん、昨今のシューズのように柔らかくてフワフワ、ということは無いのですが。
履く時期、気温によってだいぶ感触が左右されるシューズという印象です。
履きこんだ分も含めると、少し履きこまないと良さが出てこないシューズとなっていました。
まとめ
今回はアルトラのMAXクッションシューズ、ヴィアオリンパスを気になった所を解説しました。
スタックハイト33mmである分、不安定性を取り除くために様々工夫が凝らされていました。
スピードを出すためのシューズではないので
軽いジョグや、長距離を走る際に活躍するシューズという印象でした。
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