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ランニングシューズ 厚底か薄底かの選び方について解説

シューズ基礎知識

ランニングシューズを選ぶ場合、昨今は厚底シューズを選ぶ傾向が多く。

そうと思えば、薄底や裸足などのベアフット派と、両極端な意見がネットでは並びます。

ここでは厚底か薄底かではなく、どちらにも適材適所があることを記載していきます。

大前提 足部の耐用年数は50年

まず大前提として、人間の足部の寿命は大体50年位と言われてます。

アシックスの足型計測データからある程度判明しており

50歳を境目に足部の劣化、変形が見受けられるからです。

まずはここを抑える必要があります。

加えて、環境面でいうと現代は硬いコンクリート路面が中心です。

このコンクリート路面を靴で歩いた結果、50年くらいで変形が生まれたと考えるのが自然でしょう。

現代はこの足部をいかにして、死ぬまで歩ける、走れるように維持できるかが命題といえます。

 

鍛えると守る、どちらを優先するのか

この足部の変形は、アーチ部の低下によるものが大きいと記載されています。

このアーチの機構、3つのアーチを刺激しやすいのが薄底、保護しやすいのが厚底です。

底が薄ければ薄いほど、地面からの衝撃が伝わります。

この地面からの衝撃に対し、足のアーチがサスペンションとなって衝撃を緩和する

そうすることで、足部アーチが強制的に使われる、鍛えられるのが薄底のメリットの一つです。

一方で、厚底はこの衝撃をクッションで緩和します。

反発のタイミングにもよるので、カーボンプレートが入っていると話はまた別ですが

衝撃から足を守ることで、足や膝、股関節を酷使しなくて良いのが厚底のメリットです。

つまりは、トレーニングの過負荷の原則に似たようなもので。

地面からの衝撃をどの程度緩和して

どの程度足部が動くようにするのかを考えなければいけません。

例えば毎日10km、20kmも走るなら、保護を優先した方が良いでしょうし。

ときどき5km、10kmなら、薄底の方が良いかもしれません。

また、今回触れていませんが、地面側を変えることでコントロールすることも可能ですよね。
※例えば土の上なら、薄底でも十分すぎるクッションになるでしょう。

この衝撃の積み重ねを、適切な負荷内でコントロールし続けることが最も大事であり。

そのためには、ケースバイケースで対応することが求められます。

薄底側のメリット、デメリット

以上のことを踏まえると、どちらのシューズにも使いどころがあることが理解できるかと思います。

むしろ、用途や目的、使用者によって、丁度いいものが選ばれるべきです。

例えば、薄底側のメリットをいくつか挙げていきますと、

・足底部に振動、凹凸刺激が入りやすく、自分の足でバランスをとりやすくなる
・足底部がしっかり機能し、鍛えられやすい
・自然な身体の動きになりやすく、シューズに影響されにくい
基本的には保護するものがないからこそ、自身の身体の機能を引き出してくれるのが薄底のメリットです。
でも、これが例えば80代の方だったらどうでしょう?
既に足が痛い人、膝が痛い人だったらどうでしょう?
身体の機能を引き出すメリットよりも、
・足を保護するクッションが少なく、足部アーチの低下、変形しやすい可能性
・衝撃緩和機能が少なく、足や膝、股関節にダメージがくる
・シューズのサポートがなく、歩きにくく走りにくい
こういったデメリットが、より強くでやすいかと思います。

厚底側のメリット、デメリット

逆に、厚底側のメリット、デメリットも考えてみましょう。
厚底シューズは足へのサポート、スタビリティ機能を持たせたものも数多く存在するので、
・足をしっかりと保護し、アーチの低下を起こしにくい
・衝撃を緩衝し、足や膝、股関節へのダメージが少ない
・シューズのサポートがあり、歩きやすく走りやすい
このように、足元を支えて長く走らせてくれます。
でも、これが10代~20代の若者だったら
ランニングフォームが綺麗で、サポートが要らない人だったら
身体を守ってくれるメリットよりも、
・足裏への刺激が少なく、バランス感覚が失われやすい
・足部があまり鍛えられず、パフォーマンスを発揮しにくい
・シューズのサポートが邪魔で、動きにくく感じる
こういったデメリットが強く出やすいかと思います。
なので、薄底か厚底かは人それぞれのバランスによって、最適解が変わるというのが正解に近いでしょう。

カーボンシューズの問題点

余談にはなりますが、カーボンシューズは薄底厚底論争よりも更にたちが悪いです。

というのも、厚底でありながら、厚底のメリットが減っているからですね。

厚底のメリットを思い出すと、

・衝撃を緩和することで足部を保護する
・衝撃を緩和することで膝、股関節を保護する
・サポートがあるものが多く、楽に走りやすくしてくれる

こういったメリットがあったかと思います。

この全てが、カーボンプレート入りシューズ、高反発シューズではメリットではなくなります。

厚底だけれども、カーボンプレート等の高反発素材によって、地面反力が高まるからです。

つまり、

・アーチ強度高く保ち、反発に負けないことが必要
・股関節、殿筋を鍛え、反発に負けないことが必要
・反発によるスピードアップで、強制的に走らされる

薄底で走れるだけの身体の強度、フォームの綺麗さがあってこそ、履けるのが厚底カーボン。

厚底カーボンを履けば速く走れるのは当然なのですが

諸刃の剣になることは、青山学院大学駅伝部が証明している話です。

まとめ

今回はランニングシューズの厚底、薄底についてまとめました。
具体的には、以下の要素が主に関わってくるかと考えています。
・年齢
・足部の状態
・ランニングフォームや筋力
・走行距離
・普段走る路面、サーフェイス
これらに加えて、インソールやソックスといった部分も絡んできます。
耐用年数が約50年ということを考えると、やや守り重視にしつつ、必要な刺激を入れるくらいがちょうどいいのではと考えます。

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